本命は握手会

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「これだろ、ほら」  マネージャーがそれをmayaに手渡すと、これまた大袈裟なくらいに大きな声が聞こえてきた。 「よ、よかった~。なくしちゃったりしたらタ・イ・ヘ・ン」  それを両手で大事そうに握りしめながら、mayaはマネージャーと共にこちらに戻ってきた。  マネージャーは俺の存在に気が付くと声を掛けてきた。 「おや、君は?ダメじゃないかいつまでもこんなとことろにいては」  その言葉をmayaが制した。 「マネ、この人は私の最後のご乗車様です」  最後のご乗車様って日本語は変だなと思って、思わず吹き出してしまった。おかげで緊張もかなり和らいだ。  マネージャーは俺に向き直ると、四十五度の綺麗なお辞儀をした。 「いつも応援ありがとう。これからもmayaの事をよろしくお願いします」  下り坂フォーT7と言わず、mayaの事をと言っているこのマネージャーは、mayaの事を特に気にかけてあげているんだなと感じた。
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