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まだまだ握手の終わっていない他のメンバーのテントに気を取られているせいなのか、そこに突っ立ったままの俺を咎めるスタッフは誰もいなかった。
俺は急に名残惜しくなってテントに振り向いた。すると、そのタイミングに合わせたかのように中からmayaが勢いよく飛び出してきた。
なにか急いでいる様子だったが、俺の顔を見るなりその表情を崩し、彼女は満面の笑みを浮かべた。
「本日はご乗車ありがとうございま~す。次のご乗車もお待ちしてますね」
そう言って敬礼するmayaは、やっぱりめちゃくちゃかわいい。
俺は突然の出来事にただただその場で固まっていた。こんなところで立っている俺を見て、付きまといとか出待ちなどという疑いを一切持たないmayaへの好感度は更に急上昇していった。
そう言えば、俺は彼女に「頑張って下さい」とも、「応援しています」とも言えていなかったことに気付いた。慌ててその場でそう言おうとしたが、ドキドキが激しすぎて次の言葉が出てこない。
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