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むかしむかし。
日本中の動物たちを集めて、誰が一番足がはやいのかを競い合った。
皆が一番になると思っていた馬を筆頭に、豚やタヌキ、鶏やアナグマが集まってきた。その場所には他にも熊や鹿、イノシシに蛙などなどが集い、終いにはクジラまでもがやってきたのだった。
そうして集まった動物たちが、日の出を合図に戦いの火ぶたを切って落とす。
一体誰が一番足がはやいのだろう。
やっぱり馬だろうか。
いやいや、イノシシや熊だって負けていない。
おっと、忘れてはいけない。ウサギだっているのだ。
…。
じりじりと夏の陽ざしが照り付ける中、勝負はあっけなくついた。
誰が何と言おうとも、そいつが一番最初に腐ってしまった。
日本の動物たちの中で、一番足がはやかったのは サバ であったとさ。
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