友人の元へ参る

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それを見て、聞いて。 なんとなく、珍しいなと思った。 これまでここに来て、ヤスヒトの口からアイツについて語られることは、そう多くなかったから。 「まあそれ言ったら、毎年参ってる時点で見飽きたって思われてっかもね」 「それは嫌だなぁ」 ヤスヒトが小さく、くふり、と息を漏らす。 さっきより力が抜けたようで、くつくつと肩を震わせて笑っていた。 ちょっと安心。 と、そんなところで唐揚げとポテトが到着して。 ポテトの小皿で勝手にオーロラソースを作って怒られたりしたのは、まあまたいつも通りだった。
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