友人の元へ参る

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タバコを吸いきる頃、現場責任者の先輩が喫煙室に入ってきたので挨拶に軽く頭を下げた。 髭を蓄えた茶髪のおじさんだ。 気の好い人で音楽の趣味が合う、大変に良い先輩である。 ついでにちょうど良いので、さっきのメッセージのことを伝えることにした。 こういう行動は早い方がいい、とはヤスヒトの談。 …………俺ってあいつに影響受けまくってるなぁ。 「すみません先輩。近いうちに友人の墓参りで有休をもらうと思うんですが、大丈夫ですか?」 「ああ、大丈夫だよ、毎年この時期だもんね」 「助かります」 「こっちこそ助かってるよ、ありがとうねいつも。フォークリフトの免許もとってもらったし」 からからと笑う先輩に肩を叩かれる。 先輩であるこのおじさんに猛プッシュされなければその免許をとってなかったのは秘密の話。 気を遣ったとは思われたくないし、実際免許を取って損はなかった。 給料も上がったしね。
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