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そんな仕事をしながら日々を過ごして、時間が過ぎていって、一週間と少し。
平日ど真ん中の真っ昼間に、俺とヤスヒトは待ち合せて合流した。
ヤスヒトは花束を持って、俺は線香と蝋燭を買って。
ヤスヒトはこの墓参りの時、毎年必ず菊の花束を買ってくる。
それは、俺がまだ学生をしてた頃から変わらない。
「線香買ってきた?」
「買ってあるよ、毎年花ありがとな」
「まるで檀家さんみたいな言い方だね」
他愛もない話をしながら、墓参りに向かう。
色々と理由があって命日に墓参りに来るのがはばかられる俺たちは、それを少し過ぎた辺りで毎年参りに来る。
出入り自由の霊園とはいえ、夜に来るのは褒められたことじゃないらしいしね。
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