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「バカなヤツだよ、本当に」
綺麗になっている墓の花立てに、菊の花を差す。
三具足、だっけか。
蝋燭とか、線香とか、そういうものも置いて、手を合わせて。
少ししてからヤスヒトはそう言った。
「ヤスヒトそれ、毎年言ってんね」
「会う度に言いたくなるんだよ、バカだから」
「まっ、そのバカに毎年参りに来る俺達もバカだよ」
「違いないね」
ヤスヒト力の抜けたようにふふりと笑った。
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