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d・データー放送投票
「お母さーん!何かニュースして
るよー!番組ぜんぶニュース!」
「はいはい。年越しそば茹でてる
ところだから、あとあと。」
ボクは、お母さんの
とんちんかんな返事に怒って、
コタツでミカンを食べる、
おじいちゃんに聞いた。
「おじいちゃん、笑ったらダメな
やつ、なんでしないの?
どこもニュースばっかりー!」
「うんそうだな。歌合戦も、
しとらんな。なんやら、大切な
ことがあったみたいだ。どら」
おじいちゃんが眼鏡をかけて、
リモコンの音量を上げた。
『先ほどからお伝えしています、
國歯朶教授の発見は、本来なら
国際学術機関にて発表会され、
『モウスコシダケ』の研究など
がされるのですが、この『モウ
スコシダケ』の効力が、あと5
時間で消えてしまう特質である
事から、発見者である國歯朶
教授が、新種植物発見条項の
適用を宣言され、『モウスコシ
ダケ』に効力設定の細胞処理を
優先し、研究開発するとされま
した。では、その設定効力です』
テレビには、
へんなキノコ?の写真と、
おじさんの顔がでている。
アナウンサーの人がいっている
ことが、わからない僕は、
おじいちゃんにもう一度聞いた。
「ねー、おじいちゃん、この話
今しないといけない事なの?
僕ら2年生は、かんけいある?」
「そうだなあ、あるっちゃあるか
、よくわからんが。なんでも
よく効くキノコらしいぞ。
じいちゃん、腰の痛いのが治る
とかならええんじゃがなあ。」
僕は、リモコンをポチポチと
変えてみるけど、
やっぱり同じニュースしてる。
『國歯朶教授は、効力設定を、
民意に委ねたいとの考えも発言。
このほど、テレビやラジオ、
全放送局やインターネットを介し
国民が希望する効力を『モウ
スコシダケ』薬剤に細胞設定する
とされています。まず、テレビを
ご覧の皆様、リモコンのDボタン
を押しまして、メニューを開き
希望する、『モウスコシダケ』の
効力を50音べつボタンで、入力
して下さい。あなたが望む、
『もう少しだけ』効力が、採用
されるかもしれません。今から
2時間 以内にお願いします。』
アナウンサーの人が
もう一度同じ事をくりかえして
しゃべる。
おじいちゃんはDボタンが、
わからないというから、僕が
押してあげた。
「おじいちゃんは、腰のイタイの
が治るようにだよね。いれてみ
よっか?きまったらいいよね。」
「いやいや、わしのは別にいれ
んでええ。お前さんのにしな」
おじいちゃんは、
そういってトイレに立つんだ。
『2時間後に、寄せられた希望的
で、上位4つを再び投票するとの
事です。皆さん、今Dボタンを
押して?すぐ入力してください』
そっか。好きなのを入れて
いいんだ!!
泳ぎか、走りが上手くなりたい!
どうしよう、どっちも捨てられ
ないよなあ。
僕は友達に電話をする。
僕はまだ、電話をもってないけど
おじいちゃんがもってるんだ。
テレビの画面下には、
テレビを見てる人が、投稿した
つぶやきが流れていく。
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