転生!!

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転生!!

「起きて!本当、いつまで寝るの」  ペチペチと頬を叩かれて眉を寄せると、ザァッと急な雨が降ってきて慌てて起き上がる。 「おわっ!マジ!?書類っ!!」  慌ててかばんを手繰り寄せようとした俺は辺りを這いつくばってから冷たい視線を感じてそろりと目線を上げた。 「やっと起きた?」  ふよふよと宙を浮いているのはさっきも居たあの少年のようだが、真っ白だった衣服に色がついて、クリーム色のシャツに深緑色のベスト、焦げ茶色のサスペンダーつきの膝丈ズボンに同じ焦げ茶のブーツを履いている。  俺は見たこともない全身黒でロングコートには所々に金の刺繍が入った見るからに上等な衣装を着ていた。まぁ、今のでぐっしょり濡れまくっているが。  左手の人差し指をツィッと動かして少年は俺を見下ろす。  瞬間、凄い勢いで下から暖かい風が吹いて服が乾いた。 「なっんだコレっっ!!」  乾いたコートの内まで見ながら叫ぶと、少年は片耳を押さえて降りてくる。 「だからぁ、ここは魔法の世界だって。転生後」 「は?」 「オメデトウゴザイマス!初っ端から魔力カンストの最強キャラさん!」  パチパチと手を叩きながらも感情は一切感じられない声。  じっとその姿を見つめると、少年は息を吐き出した。
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