5674人が本棚に入れています
本棚に追加
/214ページ
「おまけに予約してたレセプションパーティーの会場もキャンセルしたらしく、大慌てしてたわ。」
「そうなんですね。なんだか大変そうですね。」
「プリンスホテルには悪いけど、うちのホテルにとってはチャンスだから、失礼のないように対応するように。今回宿泊してるのはニューヨークの社長らしくて、日本でのマーケティングも面倒みてるようだ。」
ニューヨークの社長と聞いて、一気に距離が遠くなった。
一流企業の社長とどうこうなりたいと思っていた自分が急に恥ずかしくなってきた。
「レセプションパーティーの会場がとれれば、関係者もかなり宿泊するからうちのホテルの宣伝にもなるし、何が何でも粗相のないように対応してくれ。今日のミーティングでも情報共有するから。」
「それでしたら、基本は俺か相原で対応した方がいいですか。」
横から直樹が口を挟んできた。
「そうだな。俺か西野か相原かで基本的に対応するようにしよう。何度も言うが、粗相のないように完璧な対応をするように。」
マネージャーは何度も粗相をするなと言い残して、フロントを後にした。
最初のコメントを投稿しよう！