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episode.1
冬とは思えないほどの、寒すぎる外。
強いて言えば、冷蔵庫みたいだ。
でも、君の心は春状態。温かい心だ。
異常気象だな。
外はまだ薄暗い。
この時間に家を出るのもいいな。
そう、思いながら玄関を出る。
私は数歩歩いて、私の家の隣にある家を見つめる。
はぁー...と白い息を出しながら、私は呟く。
「私の恋は、すごーくすごく簡単に終わっちゃったな...。」
そう呟いて、私は学校へと足を進めた。
−学校−
学校に着くと、親友の未沙季(みさき)が、
「おはよっ!今日も寒いねぇ。」
と、話しかけてきた。
「おはよ、未沙季。」
「...あれ?幼馴染の男の子は?風宇(ふう)、いつも一緒に来てたよね?」
「あぁ...、ただね!彼女できちゃっただけなのっ!そ、そういうことだから...」
話していると、涙が出てきた。
「あ、あれ?何で涙が出てくるんだろうっ?あ、気にしないで!」
「...風宇、無理しなくていいよ。好きだったんでしょ?」
「...未沙季には隠し事なんて出来ないね。何でもお見通しだ...」
「分かるよ!そのくらいっ!だって、風宇、気づいてなかったかも知れないけど、目で追ってたし!」
未沙季は、はぁはぁ...と、あらく息遣いをしている。
「...未沙季、もうこの恋は叶わないの。どんなに願っても。」
「そ、そんなの分かんないじゃんっ!やってみなきゃ!」
「...未沙季に何が分かるの?どれだけ私が思い続けたか、どれだけ好きだったか!「やってみなきゃわかんない」って言うのはっ!まだ余裕がある人だけだよっっ!!私は!もう余裕なんて無いの!心はズタボロなの!もう、ほっておいて!」
「風宇!」
私って、ひどい人間だ。
心配してくれた未沙季に八つ当たりして。
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