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そして、サフィリア様は毎日とても優しくて、誓ってくれた通り、「かわいい」「好きだ」「愛してる」と人目もはばからず、言葉を尽くしてくれるので、私はたびたび赤くなった。
「ニーナ、いいものが完成したよ!」
ニコニコとサフィリア様がキラリと光る指輪を掲げた。持ち主と同じ美しい青の宝石がはまった指輪だった。
それを私の指にはめてくれる。
「綺麗……。ありがとうございます」
サフィリア様の瞳が私の指に宿ったみたいだ。
思わず、頬が緩んでしまう。
うれしそうにサフィリア様が説明してくれた。
「これは徐々に体力が回復する魔道具になっているんだ。これで何度も愛し合えるね」
「えっ……」
私が絶句していると、聞いていたシグモントさんが額に手を当て、つぶやいた。
「すばらしい発明だというのに、残念感が漂うのはなぜなんでしょう……」
居合わせたアルマさんも口に手を当てた。
肩が震えている。
「ふふっ」
私も笑い出した。
サフィリア様はなぜ笑われているのかわからず、キョトンとしている。
変人侯爵の相手は疲れる……だけど、それは私にしかできない。譲るつもりもない。
今日も元気に私は愛されている。
─fin─
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