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第2章 鏡の世界
ゆっくりと目を開いてみる。そこに広がったのは、何色とも例えようがない、薄暗い空間。でも、どこか眩しい。
体を起こし、辺りを見回すと、無数の鏡が床に敷き詰められていた。眩しく感じたのは、この鏡が原因だろう。
私、あれから死んだのかな……。死んだ後の世界って、こんな感じなのだろうか。
鏡に映る自分を見て、改めて落胆した。何て酷い顔なのだろう、と。私は心底自分の顔が嫌いだ。死んでもなお、顔は変わらないようだ。
「目を覚ましたんだね?」
背後から幼い声が聞こえ、私は後ろを振り返った。
私の目に映るのは、切れ長のまつ毛で、ぱちりとした目を持つ少女。白く足元まであるドレスをまとっている。まるで純白のドレス。肌も同じくらい真っ白だ。
見た目は10歳くらいだろうか。柔らかくウェーブのかかった明るい茶髪を、腰よりも下の位置まで伸ばしている。外国製の人形のような、そんな美少女だ。
「ここは…………」
「見た通り、鏡の世界、とでも言うべきかな? でも、ただの鏡じゃなくって……」
少女はそう言って微笑み、小さな指を鳴らした。
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