4.ホットサンドと忘年会

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   繁華街を抜けて、急ぎ足で一つ目の角を曲がると大通りへと出てきた。  心臓の位置がはっきりわかるぐらい、激しく脈を打っていて。  副部長のとろんとした笑顔を思い出すと胸の奥がきゅーんと締め付けられる。  まさか話しかけてもらえるなんて、夢にも思っていなかった。  紙袋を持った手を軽快に振り、今にもスキップしてしまいそうな私がビルのガラスに映っていた。  (私って、ほんと単純……)  このままどこまででも歩いていけそうな気分ではあったが、さすがに夜も遅い。    通りすがりのタクシーに乗ると、自宅へと向かった。    私の弾んだ気持ちとは反対に、マンションはいつもより静寂に包まれているように感じた。    帰宅してテレビをつけると、帰省ラッシュに伴う混雑状況が、高速道路の上空からの映像と共に伝えられていた。 (そっか……。もう今年も終わりなんだ…………)
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