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定時を知らせるチャイムで、
胸に広がっていくのは、どうしようもない後悔。
もう一度見たい、あのちょっと困った優しい笑顔。
俺といたって、田中は幸せにはなれない。
分かってる、分かってるけど。
定時から30分が過ぎた時、
気付けば、俺はオフィスを飛び出してしまってた。
もうここにいるわけない、帰ってるはず。
いなくたっていい、むしろいなくていいよ。
ひと目見たら、自分の気持ちを優先してしまいそうだから。
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