2.机と再会

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 大会議室に戻ると、まだ数人の若い社員が残っていた。  このキラキラとした眩しいオーラ!  きっとサンテボの営業部だ。  私は空気のように「お疲れ様です」と挨拶をしてから、すぐに作業へと取り掛かった。  楽しそうな笑い声が聞こえようとも、私は黙々とテーブルの上を拭いていく。  こんなこと、学生時代から良くあることだから。  集中していたせいで、全ての机は無意識のうちに拭き終えていて。  いつのまにか部屋には、誰もいなくなっていた。  少し伸びをして、壁にかかった時計を見上げると20時30分を少し過ぎたところ。  最後に机と椅子をならべる大仕事だ。  まばらになった長机を会議室の姿に戻していくのだが、それは思ったよりも重く運びにくい。  明日の筋肉痛を覚悟しながら、2台か3台並べた時だった―― 「これ、並べればいいんすか」
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