iPS角膜の実現

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iPS角膜の実現

 そんな時、僕の本業のiPS細胞研究にも大きな革新(ブレークスルー)が訪れる。JAXA(宇宙航空研究開発機構)と共同で進めていた、ISS(国際宇宙ステーション)の無重量環境でのiPS角膜の生成実験で、正常角膜の生成が成功し、その角膜を移植した『網膜色素変性症』のアメリカ人の治験患者さんが正常な視力を取り戻したのだ。  そして次のISSでの実験が決定し、研究リーダーであった僕は治験患者を日本人から選定する権利を持っていた。勿論、陽毬の治験を申請し、承認が得られていた。  僕はこの事を一刻も早く陽毬に伝えたいと考え、翌日の定期診断で彼女へ伝えると決めていた。
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