クリスマスカード

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基利斯督ノ弥撒ニ悪魔ハ笑ウ 街ニ流レル風琴ノ音ガ三太九郎ノ悲鳴ニ変ワリ 街路樹ト並ブ角灯ガ血ニ染マル 維納ノ怪人 「何ですかコレ。暗号文? うーんカタカナだけ読んでも意味はなさそうですね。どこに届いたんですか?」 「サン・スーシ・ウイーンだよ」 「え? 大会の会場じゃないですか!」  サン・スーシ・ウイーン(のんきなウイーン)は、ウイーン地方を拠点とした豪華ホテルで、この街でも上位クラスのホテルだ。今回クリスマスに行われるセブンカード・スタッドの大会会場となっていた。 「そう。だから、さすがに断られないだろうと協力を頼みにきた訳だ」  ウォーカーがコーヒーをすすると、ガチャリと扉が開き細長い人影が入ってきた。 「おかえりなさい」  帰ってきたコールはステラの声にも応えず、ウォーカーに目もくれず、フラフラと奥のデスクに向かった。椅子に座るとクルリと後ろを向き、背もたれをステラたちに向けた。背もたれの上から無造作な髪は見えず、腕は肘掛けの外側に垂れていた。完全な脱力モードだ。 「ウォーカー警部補。スコップランドが大会の中止を求めてるとオーナーから聞きましたよ」 「まったく! なんておしゃべりなんだ!」 「でも、その件で来たんですよね」 「んー。まあ……そうだが」  ウォーカーが気まずそうに答えると、ステラはこちらを向きそうもないコールの正面へ回りカードを手渡した。 「原因はこれらしいですよ」
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