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「いや、いやぁ……だってそれ変態ストーカーのやる事だよな。うそだろ、ルゥおまえ」
「無理、春……眠い、寝る」
好き勝手喋ることができて満足したのか、可愛らしい口調のまま眠りの世界へ旅立とうといている琉笑夢についに限界がきて、春人は勢いよく顔を上げて怒鳴った。
「おいまて起きろっ……琉笑夢、てめえ!」
ぱかりと、琉笑夢が目を見開いた。
西洋人形のような大きな瞳に至近距離でじっと見つめられる。本当の本当に、蛇に睨まれた蛙のような状態になった。
「ひ」
開き切った瞳孔に情けない悲鳴が漏れそうになって、結局漏れた。
「──怒んなよ夫婦なんだから別にいいだろうが、おまえは俺のものなんだよ」
一息で言い切られ、汗がつうと頬を伝い真っ白なシーツへと落ちた。
「ハメ撮り晒されたくねえだろ、俺だって躾直したくねえから──わかった?」
全力疾走を終えたばかりのように心臓の鼓動がバクバクと速くなる。破裂しそうだ。
「なあ、言ったよな俺」
「な……ん、て」
「こんなもんじゃねえからな、って」
確かに、寝ている春人の顔をオカズにしてシコられて胸にぶっかけられたことなんて可愛いものに思えて来た。
体を動かせないでいる春人の目の前で、弓なりに反った琉笑夢の瞳から白目の部分が消える。
侵食した青が白を食らい、水面に映る青く輝く綺麗な三日月のような形になった。
「逃げんなよ? 春にい。ずっと離れないって言ったもんな。もし俺から逃げようとしたら」
きめ細かな肌をした美貌の青年は、それはそれは嬉しそうな笑みを浮かべて、一言。
殺す、と続くかと思われていた唇が紡いだのは別の言葉だった。
「壊す」
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