本能寺の夜語り

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「何じゃ、それは? 何が起き上がったというのじゃ?」 武将が問うた。 「謙信公の魂ともいうべきものにございます」 武将の前に座す男は、淡々と答えた。 そのまま、男は話を続けた。 「謙信公、お命をいただきに上がりました」 鬼は、大胆にもそう言ったのでございます。 「わしはまだ死ぬわけにはゆかぬ」 謙信公は答えました。 謙信公の体は横になったままでしたが、その体を抜け出した魂が、そう言ったのでございます。 鬼は、にやと笑いました。 「あなたの寿命は尽きております」 そう言うと鬼は、分厚い帳面を取り出し、謙信に突き出しました。 「それは何の帳面じゃ?」 武将が問うた。
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