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印刷工場で「ギロチン」という恐ろしい機械を見た。
大部数印刷をするときには、あらかじめ全紙という1m以上ある大きな紙に割付をして印刷する。
それを裁断する機械である。
紙を置くと、下から空気が噴射されて少しだけ浮く。
軽く押してやると重たい紙の塊が動く。
端に合わせて、スイッチを押すと、四方から裁断される。
その様子がまさに「切り刻む」という感じで、ズバズバズバッと映画のチャンバラのような鋭い音を立てるのである。
そして職員の方が、
「指一本落とすと一人前なんてね…… 昔は言いました」
というものだから、本当に指を落とした気になった。
雰囲気を察したのか、
「私は裁断したての紙には、絶対触りません。紙の切れ味で指を落とすかもしれませんから」
とたたみかけてきた。
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