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【3】アリサ、リクトと出会う。
ドアが開かれ、衝立の向こうに、いよいよリクトがいる。
私は緊張でドキドキし過ぎて、上手く歩けないくらいで・・・。
目の前に現れるリクトは、どんな人なんだろう・・・?
視界が開けて、椅子の前に立つ、リクトの姿が現れた。
い・・・
イケメン過ぎるわっ・・・!!
明らかに一般人とは違って、キラキラ輝いてる・・・!!
そう思ったら、余計にフリーズしてしまった。
言葉が、出ない・・・。
こっちを見て微笑んで【リクト】が、
「今日は、ありがとう・・・」
って言ってくれた。
「はい、いいえ・・・」
って、しどろもどろに答える。
完全に、思考がシャットダウン・・・。
そうだ!
手紙を渡さなきゃ・・・。
バッグから手紙を取り出し、
「あの、・・・私【アリサ】っていいます。
手紙書いて来ました・・・」
と、手渡そうとしたその時、
後ろからスタッフさんの制止が入った。
「あの、すみません、今回は手紙の手渡しNGです・・・。
こちらの確認ミスで、ごめんなさい・・・」
と、申し訳無さそうに謝られた。
ガーン、と私はショックを受けて。
終わった・・・と思った。
もう、最悪だ・・・。
結局手紙はスタッフさんのお預かりになって。
後で本人に渡してくれるようだけど・・・。
でも、リクトが優しく声をかけてくれて、
「あの、アリサちゃんか・・・。
いつもお手紙ありがとう!!」
って、笑顔で握手してくれた。
私は泣きそうになって、
「え!?
覚えてくれてたんですね!?
やばい、嬉し過ぎて泣けて来ますっ・・・!!」
って言ったら、本当に涙がボロボロ出て来た。
リクトが慌てて近くにあったティッシュを手渡してくれた。
優し過ぎる。
神かっ。
でも、なぜかそのティッシュがちょっとだけゴワゴワしていた。
「ありがとう、またね、アリサちゃん・・・」
って手を振るリクトに私は深々と頭を下げて、
「ありがとうござきましたっ!!」
と言いつつ会場を後にした。
その後、リクトの姿が見えなくなっても、胸のドキドキは止まらなかった。
リクトから貰った、なぜかゴワゴワするティッシュを改めて見てみると、何やら紙の切れ端?メモが一緒に挟んであった。
11桁の数字の羅列・・・。
・・・・・・!?
電話番号・・・・・・!?
私はパニックを起こした。
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