【4】リクト、そして憂鬱。

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【4】リクト、そして憂鬱。

 イベントが終わった後で、僕は大失態を犯してしまったと思った。  控えめに言っても、もしかして僕は最低の事をしてしまったのか・・・!?  皆に、何とか感謝の気持ちを伝えられた。  胸がいっぱいだ。  これからも、もっともっと頑張ろうと思ったし、新たに感謝の気持ちが生まれて、それをまた何よりも音楽で返したいと思った。  その気持ちは紛れも無く純粋な物だと確信している。  でもだ・・・!!  気になっていた、いつも手紙をくれていたアリサちゃんが、予想以上にタイプ過ぎて。  柄にも無く、これは一目惚れってやつか!?  いや、正確には、ずっと手紙やコメントでの文章から気にはなっていたんだ。  衝動的に、スタッフさんが手紙を静止している間に電話番号を書いてしまった。  メモを渡してしまった。  僕は、どこかで踏み止まるべきだったのかな!?  彼女にも、多分これが僕の常套手段だって思われたに違いない。  電話なんて、今時かかって来る保証なんて無い。  それどころか、もうナンパ師の僕の歌なんか聴いてくれないんじゃないかと思ったら、大切なファンの一人を失った気分で、僕はのたうち回りたくなった。  だって、仕方が無いじゃないか、  生まれて初めての、衝動だったんだ・・・。
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