青い自殺

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「……ブルーゾイサイトがいい」  考えるよりも先に、私の唇が動いていた。 「ブルーゾイサイトって、ああ、タンザナイト……しろちゃん、ルビーでもトパーズでもアクアマリンでもええんやで。安物しか買えへんけど」  祖母は言い聞かせるように伝えたが、私は首を横に振った。 「ブルーゾイサイトがいい」  駄々をこねるような響きに、祖母はなははと笑った。 「ええよ。買ったるわ、なんぼでも」  杖を頼りに一人で歩きだそうとして、祖母は差し出された手のひらに気付いた。祖母はその手を強く強く握った。私も強く握り返した。祖母の手は皮が薄くなっていて、紫色の静脈がつまめるくらい突き出ていて、ひんやりと冷たかった。それなのに痛いくらい力は強くて、熱い血潮が皮膚越しに流れ込んでくるようで、私は今祖母の魂と手をつないでいるのだと思った。  私たちは素敵な友達と一緒に歩いた。足取りは軽く、歌い出したいほどだった。  今や、身体こそが装飾品だったのだ。
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