コメディBL短編集

（読み切りSS）六尺褌人外…BL？

　
　おい、どこ見てやがんだ！　こっちだこっち。
　違えよ、そいつの股間じゃねえ。そいつはまだ下ろしたてのパリパリだ。
　いいか、六尺褌てのはなぁ。どれだけ相方の股間に寄り添い、気合を入れてやるかが勝負の分かれ目なんだ。
　そっちの新入りは可哀そうに水通しもしてもらってねぇから、がっちがちになっちまってよう、相方どころの話じゃねえんだ。ぶっちゃけそいつの相方も痛がってるしな。まあ時間が解決してくれるだろうけどよ。

　俺みたく何度も優しく手洗いされて皺のないようにきっちり物干しに干してもらい、少うしくたびれた風合いになってきた頃ってのが一番相方に馴染むのよ。
　俺の相方もそりゃあ昔はやんちゃしてたさ。
　まっとうな生き方からははみ出るし、イキがってデカい態度取ってたこともあったな。

　だが、俺に出会って相方は変わったぜ？
　俺は相方に会った時、ただ包み込んでやったんだ。優しく、そして力強く。もちろん初めっから下ろしたてのパリパリなんてヘマはしなかった。赤ん坊の肌を扱うように相方をしっかりと抱きしめてやったんだ。不安がる相方をしっかりと支え、ぐっと力を入れてやると、相方はほんのり頬を染めて喜んでくれたもんさ。

　今か？　まあ、もう長い付き合いだからな。あの頃の初々しさはそりゃあもうないけどな、ツーカーってのもいいもんだぜ？
　俺は生涯、相方を守り抜くと誓うのさ。

　おしまい