24人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
とりあえず、聞いてみる。それだけを打って私はスマホを閉じた。
はぁ、教室に戻らないと……。
「忙しそうねぇ」
「いつから見ていた?」
「ほら私、神出鬼没だからぁ」
「そう。 appareo gladius」
「あら、さっそく刺してくるなんてぇ」
私が呼び出した剣は彼女の胸に刺さった。……ようにみえるだけだろ。
「もうご存じの通りぃ、これは実在じゃないですよぉ」
「何体でもよこしな。全部ハチの巣にするから」
「さすがにそれは困るねぇ」
まったく痛がる素振りもなく、情報屋は愉快そうに笑ってくる。
余計に神経を逆なでされる。
「お前は学校とか大丈夫か?」
「私? 大丈夫じゃない? 知らんけど」
「知らんって……。まぁいいや、私は戻るから」
煙を払うように手であおると、ほんとに煙のようにかき消えた。
どういう手品だよ。あいつの魔法。
もう、反応するのも疲れた。朝っぱらからなんでだよ……。
あぁあ、まだ囲まれているよ。てか、隣のクラスからも来てね?
最初のコメントを投稿しよう!