第5章~謎の子~

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 とりあえず、聞いてみる。それだけを打って私はスマホを閉じた。  はぁ、教室に戻らないと……。 「忙しそうねぇ」 「いつから見ていた?」 「ほら私、神出鬼没だからぁ」 「そう。 appareo gladius(アーパレオ グラディウス)」 「あら、さっそく刺してくるなんてぇ」  私が呼び出した剣は彼女の胸に刺さった。……ようにみえるだけだろ。 「もうご存じの通りぃ、これは実在じゃないですよぉ」 「何体でもよこしな。全部ハチの巣にするから」 「さすがにそれは困るねぇ」  まったく痛がる素振りもなく、情報屋は愉快そうに笑ってくる。  余計に神経を逆なでされる。 「お前は学校とか大丈夫か?」 「私? 大丈夫じゃない? 知らんけど」 「知らんって……。まぁいいや、私は戻るから」  煙を払うように手であおると、ほんとに煙のようにかき消えた。  どういう手品だよ。あいつの魔法。  もう、反応するのも疲れた。朝っぱらからなんでだよ……。  あぁあ、まだ囲まれているよ。てか、隣のクラスからも来てね?
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