図書館にて

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夕食の後、もう一度本を開いた。 今度は集中して読むことができ、その夜、午前二時までかかったが読み終えてしまった。 「感想を聞かせてくれ」って言ってたな…。 敦子は、読み終えてから、更に冴えてしまった頭で考えこむ。 本の内容は、簡単に言うと、息子を生んだ為に重い障害をもってしまった母親の話。 けれど決して暗い話ではなく、人生とは?生きるとは?本来どんな意味があるのだろうか、ということを笑いを交えながら、母親視点と息子視点で書かれてあった。 そして、最後に母親は自ら命を絶ってしまう。これ以上、息子に重荷を負わせたくないという理由で。 きっとこの話は、読む人それぞれの立場によって感想は変わるかもしれない、と敦子は思った。 あの彼だったら、どんな風に思うのだろうか。 一晩かけて、敦子はずっと考えていた。
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