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 ぬれてすずしくはだしであるく。  その言の葉を、僕は今日も体現する。  季節は冬、素肌の部分が凍てつく風に刺されて痛いくらいの気温。それでも僕は、波が割れて痛いと叫ぶ波打ち際で、そっとコンバースのスニーカーを脱いだ。  靴下で砂浜に降り立つ。靴下に護られているというのに、瞬間、じわ、と冷たさが土踏まずの辺りから身体中を駆け巡る。  すずしいなんてもんじゃない。痛いほどの感覚に思わず肺から空気が零れ落ちる。僕の感情は夜の暗闇に白く凍って天に昇っていく。  これが狼煙のようになって、空高くにいるだろう君からも見えていればよい。  ほら、今から、歩くよ。  君の代わりに、歩くよ。
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