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182話 よくある 閑話? 神様に認められた勇者
(ユウキ視点になっています)
最近ユーディーの様子がずいぶんと変わった。
正確にはボクとギルが模擬戦をしたあたりからだ。
出会った当初はよくボクの傍にいて腕にくっついてきていたのに、近頃少し距離を感じる。
せっかくメイスターがお膳立てしてくれたにも拘らず、ギルに負けてしまったからだろうか? 彼女にいいところを見せるチャンスを逃してしまったのは失敗だった。
だからその名誉挽回のために、夏休みはイストレア領で過ごすことを見送り、寮に残って調べ物をするユーディーと一緒に過ごすことにしたのだった。
でも、それも選択ミスだった。
図書室に行けばユーディーはもくもくと調べ物をし、寮に戻れば男女は別々。ほとんど会話する時間がない。前期の間、毎日行われていた交流会も生徒たちが帰省してしまって開かれていない。しかも寮に居残っている生徒はボクたちだけなので、毎晩ヒマでヒマで仕方がない。
こんなことなら、メイスターと一緒にイストレア領へ戻ればよかった。なんでも催し物を準備してくれていると言っていたのだから。
そう毎晩のように悔やんではベッドでのた打ち回っていた。
「ユウキ様。起きてください」
肩を揺すられ、瞼を開けてみると隣にユーディーがいた。
「疲れているようでしたら寮に戻られては?」
周りを見渡してみれば、ここが王都図書館だということが理解できた。どうやら本を読んでいる最中に眠り込んでしまったらしい。
大丈夫、大丈夫――そう笑みを取り繕って目の前にある本を手にする。
正直、毎日何時間も本を読んでなにが楽しいのかわからない。よく飽きないものだ。そう横目で隣をチラ見する。
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