184話 よくある 閑話? 神様に認められた勇者

3/7

67人が本棚に入れています
本棚に追加
/400ページ
 ブースト――物理攻撃に切り替え、彼女たちに殴りかかる。あっという間に方がつき頭に被っているものを剥がそうとした。すると再び声がした。 「下がってください。侵入者です」  そう耳にすると同時にブーストと唱える。が、現れた二人組を見て足を止めた。 「あれ? ギルがどうしてここに」  と。  ギルに言われて司教様の部屋に戻ると、こっぴどく説教されてしまった。  隣でユーディーも謝ってくれた。  大聖堂を出るとまだ明るかったけれど、夕方に差しかかっており、ユーディーの側仕えの計らいでナンデイーブ領の別宅で宿泊することになったのだった。  一つ屋根の下で女子とお泊りイベント発生。なのに、なにかが起こりそうな予感がしない。昼過ぎの俺の失態により夕食は静かだったのだ。  夜は宛がわれた部屋で一人、なにもすることがなくてヒマを弄んでいた。  とにかくもう一度ユーディーに謝ろう。このままでは、せっかくの夏休みが台無しに終わってしまう。せっかく二人で寮を出られたのだから、せめて彼女との距離をもう少し縮めたい。二人きりで祭りも回りたい。なんせこの世界では、今回が最終学歴となり、もう学園生活というものはないのだから。なんとしてもいい思い出作りを!   そう意気込み、ユーディーの部屋を探すことにした。  さすが領主が持つ屋敷だ。広い。どこに彼女がいるのかわからず、一つずつノックして歩く。と、聞き覚えのある声が聞こえた。 「なんですか、この寝間着は」 「領主様から、この出先でユウキ様と親密な関係にと今朝方、封書と共に届きました」 「お父様から。大聖堂行きは昨日決まったことですよ。まさか報告したのですか?」
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加