184話 よくある 閑話? 神様に認められた勇者

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「だ、大丈夫です。話とはどういったことでしょうか?」 「大聖堂でのことなんだけど。ユーディーにまで迷惑をかけて悪かったなと思って。ごめん」  俺は頭を下げた。 「ボクは勇者と呼ばれて、少しいい気になっていたみたいだ。君にまで嫌な思いをさせてしまって」 「ユウキ様。おやめください。わたくしは気にしていませんので」 「ホントに?」 「はい。ですから頭をお上げください」  いつも通りのおどおどした口調にホッと胸を撫で下ろした。 「よかった。嫌われたらどうしようかと思ったよ」 「話は以上でしょうか? それではわたくしはそろそろ部屋に」 「あ。もしよかったら祭りを回らない? せっかくヴァーリアル領に来たんだし」  そうユーディーに近づく。すると、扉を背にしている彼女が一歩後ずさる。傍で見ると肉付きのいい白い肌にドキドキとしてきた。 「今日のユーディーはいつもと違って、すごく綺麗だね。そのワンピースも……」  前の世界では口にしたことのない褒め言葉がさらりと出る。これも勇者の力なのだろうか?   目を彷徨わせた彼女が頬を赤らめ俯く。 「最近、髪を伸ばしているんだね」  邪魔な髪を彼女の背に回してどける。そして手のひらを添えている胸元へ目を落とした。隠されている部分が気になる。  わたくしは――と声を上げたユーディーに、無意識に伸ばしかけた手が止まる。 「わたくしは明日、アジェスト王の元へ挨拶のため、早く起きなければなりません。これで失礼いたします」  俺の腕を振り切るように扉を開けてユーディーが飛び出していく。
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