212話 よくある 閑話? 悩める戦姫

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 翌朝、早朝の鍛錬に出かけてみれば、すでにギルとユーディー様が集まっていた。 「リリー様! ギル様を止めてください」  二人に近づくと顔色の悪いユーディー様が開口一番に頼み込んできた。  キャンパスの芝の上で、昨日まで腑抜けだったギルが体術の鍛錬を行っている。  目を瞑って、素早い足さばきに、身体を左右前後に揺らし、鬼気迫る勢いで動き回っている。凄い威圧だわ。気合が入っている。  ユーディー様は半刻ほど前から鍛錬に来ていたらしいが、ギルは更に前からここにいてこの状況だったらしい。 「アルギニオとの対戦を辞退するように言ったのですが、聞き入れてもらえなくて」  彼女はどうやら何度も説得を試みたらしいけれど、思っていた返事がもらえなかったと言う。気になっている女子の前だと恥ずかしくて撤回が出来ない、ということかしら。 「わかりました。流石に今回は相手が悪いですし、わたしも説得してみましょう」  一段落ついたのか、動きが止まったギルに声をかける。  勝手にわたしを二人も想像して、攻撃を避ける鍛錬をしていたらしい。よく彼がそんな鍛錬をしているけれど、わたしには想像でどうやって鍛錬が出来るのか理解できない。  でも、今はそんな問題は後回しだ。  わたしはアルギニオの二つ名を教え、彼との対戦は辞めるように話を進めた。  するとギルは『剛腕の騎士』のことを知っていたのだ。岩を砕く剣術のことも。
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