182話 よくある 閑話? 神様に認められた勇者

5/5
前へ
/400ページ
次へ
 応接室で隣にいる女の子に、以前にいた世界のゲームの話をしていると、俺と同じ歳のメイスターが質問をしてきた。 「そうだな。簡単に話せば、魔王を倒す存在? てところかな」 「魔王?」  部屋にいる少年少女たちの誰もが顔を見合わせ、難色を見せる。神様に歯向かう悪い奴だと説明すると、みんなが驚いた。 「ユウキ様は、神様に逆らうものと戦っていらっしゃったのですか?」  さすが神様に見込まれた人だと称賛してくれる。  この話題が瞬く間に広がり、俺は国王に呼び出されたのだった。  この世界では魔王より、悪魔という存在を恐れている。  魔王は悪魔より凶悪な存在だったはず。なんとかデーモンとか従えていたし。  そのことを国王様に話をすると、俺は国王様から『勇者』の称号が与えられたのだった。  その日から俺の周りに女子が集まるようになった。女子たちに騒がれると悪い気はしない。以前にいた世界で、男子がファッションを気にしたり、髪型を気にしたりと、女子の目を気にしている訳がわかった気がする。なんていったって、ちやほやされると毎日が楽しいってものだ。  異世界に来てから数カ月たったある日、メイスターの魔術学校の入学が決まった。  学校か――と以前ではいい思い出がない。でも、今の俺ならもう一度やり直せ、楽しい日々が待っているかもしれない。なんせこの世界は俺を求めているのだから。  イストレア領領主に学校の入学を頼んでみた。結果はもちろん、無試験で入学が認められたのだった。  数日後、入学する前に、同盟領地である西側の領地の王子と姫様との顔合わせが行われた。  それは赤い髪のマードリックと緑の髪のユーディーだった。
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加