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183話 よくある 閑話? 神様に認められた勇者
西側で一番地位の高いマードリックはわがまま王子といった感じで、面倒くさいのかと思っていたけれど、神様のご加護のある俺に対しては敬意を払って接してくれる。直接危害がないのなら、彼の態度も笑いを取り繕ってやり過ごせた。
そして気になったのが、このグループの中で唯一の女子、ユーディーだった。
性格は控えめで、大人しい女の子だった。でも、その容姿に気を惹かれてしまった。
麗しい小顔には大きく円らな青い瞳。肉付きがよく、特に彼女の胸にはしばらく釘付けになってしまった。以前にいた世界なら萌え系だと囁かれ、守ってあげたいなんて男性の心を射抜いていたと思う。
でも、この世界では容姿より地位と魔術。なんという残念なことだろう。
しかし俺にはそんなことは関係ない。だって俺は、この世界では勇者であり、最高の魔術使いなのだから。たとえ友達になろうとも、連れになろうとも、恋人になろうとも、地位と魔術の有無は関係ないってものだ。すべて俺がなんとかしてやれる。
「ユーディー様って、なんだか可愛らしい子だったね」
顔合わせが終わり、メイスターと二人きりの時に彼に話かけてみた。
そうですか――案の定興味がなさそうな返事がくる。あの愛らしさに気づかないとは。
「そもそも彼女は第三婦人の娘ですよ。それのどこがいいのか私にはわかりませんね」
「そうかな。なんだか頭を撫でてあげたくなるような、わからないかな」
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