183話 よくある 閑話? 神様に認められた勇者

2/6

67人が本棚に入れています
本棚に追加
/400ページ
「ユウキ様はユーディーみたいな女が好みなのですか。ならばナンデイーブ領の領主様に頼んでみてはいかがですか?」 「え? なにを」 「彼女との婚約を」  はい? さらりと言いのける彼に目を瞬かせた。今日出会ったばかりなのに、話が飛躍し過ぎている。告白もしていなければ、恋人でもないのに婚約だなんて。 「告白? 誰にするのですか?」  怪訝な表情を見せるメイスターに茫然としてしまった。  この世界の貴族たちには、付き合うという期間がないらしい。顔合わせをして、親に気に入られれば、一言で結婚相手が決まってしまうようだ。 「ユウキ様が書状を書けば、向こうの領主様は即座に了承してくれると思われます」 「そ、そうなんだ」  さすが俺を必要とする世界だ。俺と関係を持ちたいからというだけで、なんでも手に入るのか!  「しかし、第一婦人にはあまりお勧めできませんね。身分が離れています。第二婦人に留めておいた方がよろしいかと」  そう。この世界では一夫多妻が認められているのだ。ユーディーを含めてあと二人も女子をはべらかせられるのだ。しかも、俺の好みで。もう最高の世界だ。そう踊りだしたい気持ちを必死に抑え込んだ。  しかし、なぜユーディーみたいな可愛らしい女子を第二婦人。そう思ったが、学校に入学してみて理解できた。  地位の中でも領地位は最も重要だと。
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加