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「ユウキ様はユーディーみたいな女が好みなのですか。ならばナンデイーブ領の領主様に頼んでみてはいかがですか?」
「え? なにを」
「彼女との婚約を」
はい? さらりと言いのける彼に目を瞬かせた。今日出会ったばかりなのに、話が飛躍し過ぎている。告白もしていなければ、恋人でもないのに婚約だなんて。
「告白? 誰にするのですか?」
怪訝な表情を見せるメイスターに茫然としてしまった。
この世界の貴族たちには、付き合うという期間がないらしい。顔合わせをして、親に気に入られれば、一言で結婚相手が決まってしまうようだ。
「ユウキ様が書状を書けば、向こうの領主様は即座に了承してくれると思われます」
「そ、そうなんだ」
さすが俺を必要とする世界だ。俺と関係を持ちたいからというだけで、なんでも手に入るのか!
「しかし、第一婦人にはあまりお勧めできませんね。身分が離れています。第二婦人に留めておいた方がよろしいかと」
そう。この世界では一夫多妻が認められているのだ。ユーディーを含めてあと二人も女子をはべらかせられるのだ。しかも、俺の好みで。もう最高の世界だ。そう踊りだしたい気持ちを必死に抑え込んだ。
しかし、なぜユーディーみたいな可愛らしい女子を第二婦人。そう思ったが、学校に入学してみて理解できた。
地位の中でも領地位は最も重要だと。
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