居眠りコナンはシャーロックになれない13 ブレイクタイム 医者の誤算、神託を受けた男

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資料を作ったのは内藤さんで間違いないだろうしな。 「ですよねー、いただきまーす」 「そうだ内藤さんは昭和生まれですよね?」 「ええ、昭和三十九年です」 「五十代、若―い」 そうですか?なんて嬉しそう。 フム、昭和四十年代なら、いま、五十か?あれ? なんかな。 んー。 あ、そうだ。 「どうかした?」 「兄弟、親戚そうだありえるよ」 どういう事だと、田神さんが汚れた手をタオルで拭いた。真っ白なタオルがまっ黒くなるのを見て内藤さんがムッとしたのがわかった。 「雄一、お前のお母さんの兄弟、五人だろ?」 「うん、あー、そうか、一番上はもうすぐ六十、下は、三十代、そっか、この年代なら兄弟の線もあり得るのか?」 同一犯ということは?と大きな口を開けケーキを食べる後藤さん。 「んー、どうかな?」 校長みたいのがまだいるのか?と言ったのは日向先輩。 そう考えるとそうかな?でもそうなると、こっちがわかんない、こっちは指輪や装飾品が出てきてるのに、こっちはない。校長の時を思い出してみろ、同一人物ならその手口もどこか似るのに、それがない時点で、別物だろうな? ふーんとみんなが感心している。 「それと、こっちの古い方犯人像は少しこれで絞れる」 「そうなのか?」 「兄弟、親戚ということが条件ならな」 俺はその古い調書の中に書かれてあったのを開いた。 「あれ?犯人と同じ苗字がいない」 「だからさ、案外真犯人はちゃんとしたものを押しつけられなかったから引っ張ってこれなかったんだ」 メモ、犯人はだれか? 1、 大学生、十九歳、男性 2、 OL、二十五歳、女性 3、 医師インターン、二十八歳、男性 4、 会社員、三十五歳、男性 なぜこの四人が上がったのか? 一人の遺体。男性、(名前)年齢 衣類が出てきて判明。 親が行方不明の届けを出していて、当時身に着けていたものが一致した。 1友人 2付き合っていた 3通院 4元家庭教師 「すげー、ぴったり合ってる」 だからって犯人には結びつかないだろうが? まあ、先輩方の意見として聞きましょう。引っ張ってきた経緯もそれぞれだった。 1、 ケンカ 2、 別れを切り出されヤケ酒 3、 お気に入り 4、 居なくなる前に出会っていたのがわかっている。 「お気に入りってキモイな、この時点で目をつけられるよな」 「家庭教師は何で今頃?」 「何かあったのかな?」 「怨恨の可能性は?」 「二番?あったのなら捕まっていたよね」 「三番は、専門は何?」 「外科だな」 「外科?内科じゃなくて?」 「亡くなった人胃がんで手術受けてるな」 「自殺の線はなかったのかな?がんなら、自暴自棄になったとかさー」 んー、そこも悩みどころではあるけどな。 「何で漂白剤だったのかな?」 場所は何処? 骨を洗った場所? 「家の中で洗ったとしてどこに置く?」 「タオルやふきん、繊維なんかは?」 ない、書かれていない、見ろ、検視結果なんて雑だしおおざっぱだと言う。 「時代かもね、今の時代じゃ洗剤のメーカーまでわかるって聞いたことあるし、ねえ田神さん」 田神さんの父親でさえ分からなかった事件、科捜研なんか、まだまだだったかもしれない。 「なあ、俺よくわかんねーだけど、骨って漂白剤に入れただけでこんなに白くなるもんか?」 「ああそれに土に埋めてあったんだろ?きれいすぎない?」 「作りものってこと?」 そうじゃないけれど、衣類もさ、まるで洗濯してアイロンなんかもかけてあるように見えるという。 「写真古すぎだし、ぼけてる」 「本物が見たいよね」 「なあこれ」 ん?雄一が指さした先。 「ん?指の骨?」 鮮明じゃないけど、土に立てて埋めてあるように見えないかと言われた。 「ああ、かいてあるね、垂直に立ててある、まるでひとつずつ指で押していくように骨が立てておいてあるって」と言った日向先輩は、考え込む姿勢に入った。
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