居眠りコナンはシャーロックになれない13 ブレイクタイム 医者の誤算、神託を受けた男

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この違和感のようなものは骨が標本のように並べてあるんじゃなくて埋まっていたから?なんでそんなめんどくさい事をした? 「ここまで来ると潔癖とかじゃなねえよな」 「変態?」 「やっぱり医者かな?」 皆が俺を見た。 その根拠は? 「ここまで再現できるのは、その部位がどこにあるか」 「それなら教師もできるんじゃない?」 「んー、これさ、寝そべってプスプス土にさしているみたいに見えない?」 「まあそうだな」 寝そべって?ふむ。 「小さな指の骨の関節も間違いなく、これだけの遺体をきれいに並べるって、根気がいるよね」 「まあな」 「ほとんど全部ですものね」 「だからって医者だとは」 「んー、でもこれ」 「これって?」 メモのBとC、気になるなー 気になる?何が? 1,2,4は近心接触、3だけ浮いてる。 「特にCの答えはそう思うよな」 それに手術も引っかかると言う。 「手術?」 「うん、がん、どこが悪かったって書いてないよな」 胃がんて書いてあるから胃じゃないの? 「じゃあこれをどう説明するかだ」 「どれ?」 一馬は、左ひじをつき手にあごをのせ右手でまるでリズムをとるように写真を叩いている。 何?とみんながのぞく。 「なにかある?」 「んー、ここだけ黒いような」 「白黒だしね」 「たぶんここだけ色が付いていたか漂白できていないと言うか」 「そうか、病巣だから骨が黒ずんでいた」 「センタ、正解、たぶんここ、胃か肝臓か」 フムと右手にあごを置いた田神さん。 「引っ張れると思いますか?」という後藤さん。 「んー、材料が足りないなー?」 「でも調書じゃ手術したことも書かれているから」 「手術はしたかもしれないだがどこの手術かわからないとヘタな事を言われたら終わりだ」さすが医学部。 「そうか?」 「それに写真もこれを突きつけたって、ただここが黒くなったで終わってしまう」 「んー、物的証拠か」 「物的等と衣類ぐらい?」 「衣類ねー…ん?」 「どうかした?」 「もしかしたらこれかも?」 指さした先には旅行かばん、今じゃ街中でもガラガラ引っ張って歩いているっけど当時はどうだっただろう?うちの母ちゃんはうるさいって言っていてこの話を覚えていた。 「これ?」 「なに?」 「どれだよ?」 そこにはきれいに畳まれたジャケットのようなコートのようなもの、肩パットに特徴があった。 内藤さんにそれが出来るか尋ねたんだ。 「何で私じゃないのよ」 「お前できるか?これ同じように畳める?」 「バカにしないでよね」 先輩たちは黙って俺たちを笑いながら見ている。 「よし、じゃあ、これに近い洋服を持ってきて畳んでみよう」 俺たちはこれに書かれている大きさに紙を切ってみるぞ。 そこに並んだもので明らかにこの大きさに畳むのが無理な物があったんだ。 「でもこれが畳めるって、なんでお医者さんなの?」 「フフフ、医者と言えば、ハイ雄一なんだ?」 「は?なんだ?」 「はいはるみちゃん」 「え?」 「じゃあ内藤さん」 「俺じゃないのかよ」 「ああ、頭がいい、ですか?」 「なるほどそれで俺を飛ばした?」 「違います、じゃあセンタくん」 んー。 「では最後田神さん」 「金持ち」 「ピンポーン、じゃあこれとお金持ちの関係は?」 「ん?畳まれた衣類?」 「あ、もしかして旅行?海外?」 「はるみ正解!」 「旅行?これが?」 「アーそうか、しわが付かない、すぐに着れる?」 「ああ、そういう事ですか」 「はいっ内藤さんはわかったみたいだね」 「なんだよ、教えろよ」 「まあ、まあ、これで引っ張れないかな?」 「やってみる価値はあるかもな」 「でしょ?四人皆にさせてみればいい」 「旅行に行く目的でですね」 「そうか、彼は旅行に行きたかったんだ、それも一人じゃなく、仮想旅行を楽しむためにね」と言ったのは日向先輩だった。 「仮想旅行?」 田神さんは部下に連絡。すぐに容疑者だった四人を集め、衣類を旅行用に畳んでもらったんだ。 その日、大掃除に明け暮れた俺たちは、うまい料理かと思いきや、これも大掃除とばかり、冷蔵庫や食品庫の中の食材を片付けらされる羽目に。 「ウオー、なんだこのワインの数」 「ワインセーラーにしちゃ、埃たまりすぎ」 「おい、お前ら何やってんだ?」 何でもありませんと俺とセンタと雄一で背中に隠した。 「だせ?」 「えーと、何のことでしょう?」 背中に隠したのを出せと後藤先輩と外岡さんに引っ張られた。 「おい、お前らこれがどういうもんかわかってんだろうな」 高かったら売りつけてやろうかと。 ロマネコンティ、飲んでやれと、大人たち。これでいいバイト代だと言い始めた、いいのかねー。 日向先輩はダメでしょ。 「ここから外に出なきゃいい、俺も飲みたーい」 あの人大丈夫か? さあ。 「一馬、雄一、フフフ、もっといいのめっけた」 そこにはピンクのラベル、口はワインとはちと違う? まさか、これがあの有名な! 「ピンドン、めーっけ」 「センタ、お前も悪のよー」 「見つけたもん勝ち、行こう行こう」 はるみも手伝って、でっかい土鍋にいろんなものがぶち込んであった。闇鍋? バーカと頭を殴られた。 そしてはるみは、あれ? 喧嘩でもしたの? どうした? はるみは外岡さんの隣じゃなくて、田神さんの側に座った、あれ?なんているやつら。そっとしておいてやれよなんて、俺も気になったけど。 まあいいや、おいしいもの食えりゃあ文句は言わねー。
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