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毎度、毎度近くで事件なんて起こることはない。そんなに起きていたらそれこそ凶器の街だ。
のほほ―ンと暮らしている所、一生のうちに事件に出会う確率なんて一つあるかないかだ。
俺たちの周りには、テレビや、インターネットで常に、全国の事件事故が見られるからその数が多いように錯覚しているだけなんだけど。それが毎日起きるから膨大な事件事故が起きているように思えるんだろうな?
こんにちわ、山岸一馬です。今日は田神さん家にきています。もちろん同級生の中村雄一、遠藤はるみ、真壁仙太郎の三人と日向先輩、後藤先輩、そして外岡さんも呼び出され、この時期に大掃除です。大学生の二人は、何やらくれるというので出てきたようですが、俺たちはまあ、うまい飯にあり付ければいいかなーぐらいで来ていましたが、マジ重労働だぜ!バイト代よこせよなー!
結構あるんだな?
凄いな、未解決でもこれだけ人がいなくなっていて気が付かないなんておかしくない?
自殺だけならな、悪いけど、この案件をどう思う?
未解決事件、それはまだ、現代のようにちゃんとした化学捜査が出来なかったからだ、と俺は思っている。
もしもその当時、携帯電話があって、いろんなところに防犯カメラがあったとしたら犯罪の世界は大きく変わっていたかもしれない。
いや、大きく変わっていただろう。
Catch me if you can mr,holmes?
そういったアニメのモリアーティーだが、ホームズは彼を尊敬していた面もあったと思う。
それは、優秀な頭脳を持った彼に共感できる部分が数多くあったからで、一度は死んだと思わせ、ホームズが現れるまでの間、読者は、ホームズの死に焼きもちしただろう。
そして、モリアーティという裏キャラのような存在は、たいして出ていないのに、印象に残るように、彼の宿敵と言われていた。
ホームズは仕事それ自体、すなわち自分の特殊な能力を発揮する場を得る喜びこそが、最高の報酬だ。
と言って、謎解きをすることが楽しくてしょうがなかった。そこへ現れた、市民を驚愕させた貴族はその時代の世相もあり、最高の物語に押し上げた。
俺にとってのモリアーティは、あの陰険な坊ちゃん警官ではないと思っている。
あいつはただの人殺しで、それを楽しむ快楽者だ。人間のなりそこない、十分反省できればいいが、奴は又出てきたら何かをやり、また、刑務所へ戻るということを繰り返すだろう?
知的頭脳は幼稚的犯罪しかできない事に気が付かないまま、嫉妬だけを抱え生きていくのだ。
「どうした?」
「ン?何でもない、でもスゲーよな、片付くのか?」
「無理無理、みんなゴミ。なんで貯めるのかね?」
そういっては、プリントを見る雄一だった。
これは卒業前、雄一の話を聞かせろと、そしてなぜか、召集された大学生、三人が軍手姿でいる。
俺たちは受験がすべて終わり、田神さんの屋敷に来ていた。
資料は山ほどあるのに、なぜか捜査の進展がなくお蔵入りしてしまった事件。昭和という俺たちの先祖が残した、いわくつきの事件たち。
まあつい最近までは時効というものがあってそこで捜査はストップせざるしかないものが多かった。
それに今となっては其の対象者が高齢で、生きていても当時の事に判断が出来ないと言うのが事実なのだ。
それに、刑務所もいっぱいで、収容している先でどんなことが起きてもおかしくはないだろう。
奴はまだ、そんな中で、のうのうと生きているわけだしな。
それはさておき、なんでこんな紙ばかりの部屋。
父親の書斎だったのだが、この通りで片付かないからほおっておいたんだって、この際、綺麗にしておこうという田神さんなのだが、俺は知っている。
「ただの大掃除じゃねえかよ」
ブーブーの俺たちだが…。集合。
「うそ、まじかよ」
「なんで言わないのかねー」
「素直に言ったらかわいいと思わない?まったくイケメンって何か抱えた人が多いわよね。むぐ!」
シーっと、はるみの口に手を当てた。
ここは知らないふりで話に乗り、報酬をいただこうと俺たち四人は、知らないふりで、その事件を調べ始めたのだ。
まだ先輩たちは気が付いてない。
ばさっ、ばさっ!
やべ落とした。
何やってんのよ。
袋を落とした雄一、中身は白黒の写真が数十枚入ったもの。それを拾い上げた。
「スゲーな、こんなに集めてどうすんだ?」
何?とみんなが集まった。白黒の写真。広い場所に広げられた衣類の山。写真の袋に書いてある蔵之丞さん、田神さんのお父さんの名前だそうだ。
「下着かよ」
「ヒエー、凄いね、またこれ並べて写真撮る意味がわかんね」
「今見てるだろ?それだけだよ」
「ああそうか、写真が無きゃだめなのか」
ばかっだね―なんて笑っていられるのも平和なんだろうね。
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