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ボワーッとした声が耳の中に聞こえ始めた。
「何にもしないがな、ほら、いいやろ、デカイのすきやモンな」
Bの声?
「いやー!離して!」
あれ?先生の声かな?
「騒ぐな、それ口に入れろ」
ん?俺?
口にタオルを押し込んだ?俺?
「見ろ、下も黒だぜ」
やっぱりいい身体してるよなー。
いやと言ってるわりにやっぱり腰が動いてるような。
「ストッキングは少しだけ破くのがコツですぅ」
「うまい、うまい、まるのまね?」
さそってる?
俺のもつかんでよ。
いつの間にかドアの向こうを見ている俺の後ろに来た。
「こいつのも握ったって―な」
うそ?
スッとズボンの上をさわられた。
その時目に入ったのは。
「やべ、教頭!」
うそ!
俺は足を一歩後ろに下げた、下げたはずだ、でもなんだか、頭がボーっとして。
ガラッと開いた扉、大丈夫かという教頭の姿がかすんでいく。
「おい、E!」
「やべ、こいつたってる」
「スゲーな、気を失っても男ってこうなるもんか?」
その声に気が付いた。
夢?
目を開けることが出来ない。
「ホラどいて、血は止まったみたいね」
首が上がるとヒャッコイ!
気持ちいい、涼しいー。
ほらあんた達は止まったんだから戻りなさい。
じゃな!
やれやれだぜ、おだいじにー!
と言って出ていく二人、今日は散々だったな、気持ちいいからこのまま寝ちゃえ、どうせパンツはがびがびだろう。
頭痛くないと覗き込んだ先生の顔。
ヤベ、かわいい。
「わっ、またでた!」
その声に手で鼻の下を拭うとでてた、鼻血。
「まったく、男の頭はやる事しか考えないんだから」
後姿、いいなー。
ほらと言って鼻にせんされた。しっかり見える黒いブラジャーから白い肌がこぼれそうだ。
何にもできず、動き回る先生を見てることしかできなかった午後だった。
帰りもバカなことを言いながら帰るダチ達と別れた。倒れた俺をベッドに寝かせてくれたらしい。感謝。
「ただいま」
って誰もいねえよな、部屋に入り着替えを持って風呂に入りながら、パンツを洗った。
今日はいい日だったかもなんて考えながら、またもや妄想。
ダメだ、又出ちまう。
シャワーを浴びて、洗濯機にポイ、ぽいといま脱いだものを入れてスイッチを押した。
部屋に戻りマンガを読み、そのうちに洗濯機が止まった。
中に入っている物を取り出し、干した。
ババアの下着なんか別になー、と思いながらも妹の物を見た時、やばいと思ったのはなぜだろう。
色?フリル?リボンだろうか?サイズか?A70ねえだろう?お揃いのパンツ?こんなの履いて行ってるのか?
「ただいま」
おかえり、
するとバタバタと走ってきて俺のほしている物を取り上げた。
「変態!」
「は~?あんな、少しは感謝しろよな」
かごのなかをあさってる。
そのうちババアが帰って来た。
「お母ちゃん、兄ちゃん変!」
いつもの事でしょうというのが聞こえてる。
何故こうも違う?
んー、同じ女なのに。
「どうしたのそれ?」
白い制服のシャツが茶色くなっている。
「鼻血でてん」
「ワー、やっぱり変態」
うるせーと言うとおかんがそれを取り上げた。
「血は取れんからもう一回洗うわ」
「取れんのか?」
今はいい洗剤があるんだそうだ。それではおねがいしますと頭を下げた。
ただいまとオヤジも帰って来た。
飯の支度、どないしたんというオヤジに、おかんは今洗濯していると話した。
俺の隣で手を洗う。
今風呂は妹が入っている。
「なあ、聞いてもええか?」
「なんや?」
「女に欲情するって言うやろ?」
「何言ってんのやあほが」
「オトンはおかんに欲情したんか?なんかもっといい女おらんかったんか?」
「アホ?いい女が隣にいてみい、俺が下に見えるがな」
おー、納得。
「釣りあいってもんがあるんじゃ」
「何ぞいい話か?」
そこに入ってきたおかん。
「お前がいい女だって話してやってたんや、なあ」
苦笑いをしたらおかんの手が出てきて、パンと頭をはたかれた。
そんでなんてゆうたか。
お父ちゃん大好きやて、うえ~って言ってもうた。
そしたらWではたかれた。
結局は俺もおかんみたいな女捕まえるんだろうなー。
「お父ちゃん、お兄ちゃん変!」
「いつもの事やろ」
「そうそう、まったく、ちゃんと卒業だけはしてや」
はいはい。
飯食って寝るだけの俺の一日が終わろうとしていた。
ピロン。
ん?Dから?
いいものめっけ。
画像だな?
ブハッ!画面に散らばった赤い液体、又出た鼻血、ティシュをいっぱい取り、鼻を押さえ、栓をしてスマホを拭いた。
そこには、女の裸の写真。今日の俺には強烈だった。
あの白いレースのパンティを見ただけの彼女の顔を合成したものだ。
また洗濯物が増えてしまった。
皆が寝ている、洗濯機には、俺のシャツがはいっていた、その中にブチ込んだ。
鏡を見ると間抜けな顔、鼻血は乾いて後になっていた。
まったくやれやれだぜ。
今日は、妄想stop、これ以上鼻血を出したら、輸血騒ぎになっちまう。血の気が多いのかな?
土曜日献血しに行って来るか。
ふわー、おやすみなさーい。
俺はやっとのことで布団に入ったのだった。
また明日、みんなとばかやって騒げる、夏休みが始まれば、半年で、みんなとお別れかー。
そんな事を思いながら、俺の一日が終わったのだった。
教訓
妄想は壱日にしてならず、少年よ妄想と大志を抱け!
なんやそれ。
ほな、さいなら。
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