Boysbe妄想アンビシャス

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とある関西の高校、その昼休み時間の風景である。  廊下をダチとしゃべりながら歩いていた。 「あかん!」  その声に足を下ろすのを止め、バランスを崩しそうになってくるりと返った。 オーという声があがった。 辺りを見回した。 「誰もおらんやんか?」 「なんやったん?」 「いこら?」  俺たちはまたそこを通ろうとした。 「あかんて!」 「なんかいうたか?」 いうてないでー。 知るがな? 「まったくお前らデカイのは下を見るという事を知らんの?」 ん?  声は聞こえとるのに何処におるん? 「♪見下げてごらん!」 「おー!」  吉本新喜劇ののり突込み、下に小さくしゃがみこんでいる、前髪をたてに一本結んでいる奴がいた。 ズックのかかとを踏み、アイスのバーを咥えている。 「なんやおるんやないか?」 「やれやれだぜまったくー」 と言って立ったが 「立ったんか?」 「変わっとらんやんけ」 ウッせーと背伸びしたが、俺らより少し、いやいやだいぶ低い。 一番前にいるのがコンプレックス、ダチA。  口にしていたアイスの棒を出した。 「落とした」  えー?早よ言えや!  拾えやー!  それより拭けー!  今しようとおもっとったんじゃボケ!と言って教室に入って行った。  しゃがみ込んで落ちてとけたアイスを見ていた。誰が踏むとも限らない。それをただ見ていた。 モップを持ってきた。 「何しとるん?」 「みはっとったんやないか」 「おおきに」 と拭き始めた。 「綺麗にな」 「べとべとになるからな」 「そこ残しとるでぇ」  クスクス笑って遠ざかるようにして歩く女子にモップを構えておら、おらと振り回しているA。  キャー、キャー言わせてーだけだろうが、まったく。 「そや、いい事思いついた」  ダチBがすっと立ち上がると教室へ、なんか持ってきた。  洗剤?  台所用の洗剤をちょっとたらすと、Aの持っていたモップを奪い返し、それを拭きはじめた。 「泡立ってるで?」 「ええやんか、きれい、きれい」  終わったで?  女子をからかっていたAが終わったのと振り返り戻ってきた。 「アカン‼踏むな!」  足を上げてそのままフリーズ、ぴょんと跳ねては今拭いた所の端をかに歩き、俺たちの隣に並ぶとしゃがみこんだ。  皆が俺の方を見る。 「なんや?」 にっと笑うみんなは手を出した。 しゃーねーな。 「最初はぐ!じゃんけん」 「やったー」 「頼んだでE」  あははと笑う奴らをしり目に、バケツを片付けるのは俺かよといい流しに汚い水を捨て、モップを洗い始めた。 「よ、きれい好き」 「オメーがやらんからやろーが」  わり―わり―と手を合わせているA。  だが俺の目には、この学校の中じゃちょっといい女がしゃべりながら歩いてきた。  恋心を抱いているのは俺だけじゃないと思うが、付き合えればなー、なんて考えはどこまでも浅く、広いのだ。 「ターゲットオン!」  そういったのはC。  ジャージャーと流れる水音と、じゃぶじゃぶ洗うモップを上下に動かしながら、その映像がゆっくり目に入ってきた。  綺麗な足が片方上に上がった、俺の目の前でスカートが大きく広がると、中が見えた、モロ俺の処から見えた。 ヤベ! 自然と目線をそらした。 だが男のサガか、もう少しだけ、という思いに駆られ、横目で…。 「きゃー!」 ズデン! 「大丈夫?」 エアで手を叩く男が二人、しゃがみ込んでいる。 「あほ!」  なんやのこれー。  いい加減にせーやと言われてる二人。  大丈夫と言いながら立たせる人達。  腰に手を当て、イタタと歩いていっちゃった。  ぼーっとしている俺はモップを上下に、ジャブ、ジャブ。  すると違う男子C、Dが俺の目の前に立った。 「見えたやろ!」 「もろ!」 「マジかー、太ももちょっとしか見えんかった」 「なんやEしか見えんかったんカー?」  何色?どんなんやった?  聞きたければ金を出せ。と手を出した。  足元見やがって!  掌に乗せたのは十円 「兄貴―、これじゃあしょば代にもなりませんぜー」 口をタコの様にして云う。 「アホ、そないゆうなら、事細か―に再現してくれるんやろうな」 そりゃーと手をモミモミ。 「よっしゃ、それじゃあこれで同だ」 ははーと手を出した。 そこには百円玉がちゃらん。 「やっす」 「はよいえ」 「ちゃんとな」 三人が顔を寄せてきた。  白、前がレース、あれは結構もっさり系。 「きゃー」 「やべ!」 「まずいと、大騒ぎ」 それで、それで? 「ここまで」 「なんや終わりか?」 「当たり前じゃ、聞きたきゃもっとよこせ」 えーと言う三人。  日ごろの行いじゃと、モップを絞り片付けようとした。  Eちょいまち。  呼び止めたBが立ち上がると俺のモップを奪った。  濡れたままそこを拭きはじめた。  キヨちゃん、と指差すA  皆がそっちを見た、廊下の奥から生徒に声を掛けながらくる体育教師。 若さと、俺イケメンと自慢しているどうでもいいやつ。 俺たちはわきによけた。  周りにはまあさっきの女子以下の女子たち数人。
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