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前回の病院から二週間後、局部麻酔をして細胞診を受けた。帰ってしばらくすると胸がチクチク痛んだ。
どうか、良性でありますように……
私はやっぱり生きていたい。そして後悔のないように生きていきたい。
結果が分かるまでのさらに二週間、たまに寝込むことはあったが子どもたちには不安な気持ちは見せないようにいつも通り笑って過ごした。
「結果は良性でした。しかし、気になるしこりが新たに見つかったので定期的に診ていきましょう」
医師からの言葉は、手を叩いて良かったと言えるものではなかった。でも、私は最初の診断より暗い気持ちになることはなかった。
後悔のないように毎日を生きると決めたから。毎日笑っていたら……もしかしたらこのしこりも消えていくかもしれないし。
もう少しだけ……いや、まだまだ生きていたい。神様……身体が重くても頭が痛くても頑張るからどうか私に時間をください。
「ただいまー」
「おかえりなさい! 今日も餃子にしよう」
「えー! ヤッター! 手を洗ってくるね」
今日も餃子の種をこねる私に可愛い笑顔を向ける双子たち。本当に愛しい存在。
母はその笑顔のためにまだまだ頑張るからね。神様どうかお願いします。もう少しだけ力をください。どうか……
【完】
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