9人が本棚に入れています
本棚に追加
翌朝、ベットから起き上がると、身体がとても重く気怠さを感じた。
顔を洗って朝日を浴びてスッキリしたいと洗面所や窓を探すけれど、どこにもなかった。
視線を感じて目を天井に向けると、部屋の隅に設置された監視カメラが僕を捉えていることに気づいた。
この部屋にプライバシーはないのだろうかと考えていると、部屋をノックする音が聞こえた。
「葉山君、おはようございます。入ってもいいかな?」
「どうせ監視カメラで僕の様子は筒抜けなんですよね。良いも悪いも言える立場じゃないですよ」
扉の向こうから微かな笑い声が聞こえた後、昨日の男が部屋に入ってきた。
「おはようございます。それでは今日から……」
爽やかに話していた男が僕をまじまじと凝視すると口を開けたまま、眉を上げ目を見開いて驚いていた。
「どうしたんですか? 今日は検査でしたよね」
僕の話を全く聞いてないかのように、耳に装着した機械を通して小声で誰かと話していた。
男から本当に宜しいのですかと洩らす声が聞こえた後、僕に向き直った。
最初のコメントを投稿しよう!