近所のなっちゃん

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 降りてくる僕を見て周りの人達は腰を抜かして驚いて、僕の方に指を指していた。  僕は周りに説明する時間もなかったので、教室の扉を開けるとぎりぎり講義に間に合った。  講義を受けている間、あちこちで僕の話をしているのが聞こえた。  教壇に立つ教授が空から人が降ってくるわけなんてない、馬鹿なことを言ってないで講義に集中しなさいと生徒を嗜めていた。  僕は空を飛んだのは事実だけど、自分でも信じられなくて、生徒の話も教授の注意も特に聞かないことにして講義を熱心に聞いた。  夕方になって僕が今日受けないといけない講義は全て終了した。  帰路につくと空を高速で走った時と比べて、とても長い道のりに思えた。  また飛んでしまうかもしれないと恐れながら、一歩一歩地面を踏み締めて進んだ。  家の近くまで来るとマイクやカメラを持った人が大勢いることに驚いた。  僕は有名人でもこの辺に来るのかなと思いながら家の方に歩いていくと、無数のマイクとカメラに道を遮られた。 「君が空を飛んだ人だよね?」 「どうやって空を飛んだの?」 「空を走った感想は?」
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