大学に行く

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大学に行く

 目が覚めて寝惚けながら手でベッドの上辺りを調べて、スマホを見つけると顔の前に持ってきた。  画面に触って時刻を表示させると完全に寝坊していることがわかって、あわてて僕は布団をめくって飛び起きた。  洗面所に行く途中で、昨日は夜空に輝く流星群を夜遅くまで見ていたことを思い出した。  顔を洗って歯を磨いて鏡を見ると、清々しい青年の姿が見えた。  服を着替えながら必要な物を思い浮かべて、視線で部屋の中にある鞄を探す。  入口の方に鞄があるのを発見して、急いで中身を確認すると全部入っていた。  朝ご飯を食べている時間はなかったけど、いつものように仏壇の前に座って気持ちを落ち着けた。  「行ってきます!」と墓前に備えられた写真に言って、ジーンズの腰の部分をポンと叩くと僕は家を飛び出した。  外に出ると雲一つない爽やかな晴天だった。  大学に行くにはいつも徒歩と電車で行っていた。  全力で走れば、電車に乗ってぎりぎり大学に間に合うと思った  斜めがけの鞄の紐をきつく結んで、スニーカーの靴紐を固く結んだ。  僕は大学に間に合って欲しいと強く願いながら、駅に向かって全力で走り出した。
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