キャハハハ

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 ある日、仕事が終わって、帰宅するために電車に乗っていたときのこと。  残業のためにかなり夜遅くなってしまい、車内はガランと空いていた。  Tさんは疲れた身体をシートに沈めて、目を閉じる。  うつらうつらと眠りかけていたとき、 「キャハハ!」  という女の子の甲高い笑い声が聞こえて、目が覚めた。  声がした方を見ると、入り口近くの広いスペースで、小学校低学年くらいの女の子が二人、向かい合って笑っている。  なにやらお互いの手をたたき合って、ふざけているらしい。  マナーがなってないな、なんて苛立ったのも束の間、電車が急停車した。
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