キャハハハ

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 不謹慎な言葉を交わし、大声で笑う二人。  その光景も異様だが、Tさんは他にも、違和感があることに気がついた。  車内は空いているのに、なぜ彼女たちは座らないのか。  そもそも、こんな遅い時間に、あんな幼い子たちが子どもだけで電車に乗っていること自体がおかしい。  なんだか不気味に思えてきたTさんは、別車両に移動するために席を立とうとした。  が、上げかけていた腰をすぐに下ろす。  女の子の一人と、目が合ってしまったのだ。  彼女はTさんの方を指さして、もう一人の女の子に、 「見えてるよ、あのオジサン!」  そう、嬉しそうに耳打ちした。  言われた方の女の子が、グルン、とTさんに顔を向ける。  それまで後頭部しか見えてなかったその子の目は、白目も黒目もない。  闇のようにただ、真っ暗にくぼんでいた。  直感でヤバイ、と思ったTさんは急いで下を向き、強く目を閉じた。
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