4. The first argument

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 (えっ!)  と思ったその時には、掛け布団の上から修平さんに跨られていた。  彼はまるで私を閉じ込めるように、布団の上から両手足を着いている。  無言のまま見下ろす彼の整った顔には、何の感情もうかがえない。  見たことのない彼の冷たい瞳に、背筋がぞっくっと震えた。  ゴクリと唾を飲み込む音が、やけに大きく聞こえる。  「今、言ったことって、杏奈の本心?」  冷たい瞳をスッと細くめた彼が、低い声で私に問いかける。  なんて答えて良いのか分からなずに黙っている私とは逆に、修平さんは畳み掛けるように言葉を続ける。    「本当に自分が俺に相応しくない、と思ってる?」  「杏奈はどうして自分が俺に相応しくない、って思うの?」  射るような眼差しを向けているのに、その口調が坦々としていて、かえって怖い。  獰猛な獣に捕まって、捕食される一歩手前の小動物のように、体が小刻みに震える。  「あ、あの……」  何か言わなければ、と必死の覚悟で口を開いたけれど、私の言葉なんてそもそも聞く気がなかったように、修平さんは私の唇を指先でそっとなぞった。
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