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episode.10
空にはしし座流星群が流れてる。
僕はふと、こんなことを思った。
...僕も流星群になれたらな。
そして、あかねにこういった。
「あかね、僕が死んだあとしし座流星群が流れてたらその時は僕がいるって思って。」
「...死ぬとか言わないでよ...。今、この時間だけは余命のことなんか考えたくない。」
「ごめん、でも。僕はもう少しで死ぬ。だから話しときたくて。」
「...分かった...。」
泣きながらあかねは言う。
「...僕、あかねのせいで生きたくて仕方ないんだよ。」
「...私も、侑里のせいで死にたくなんてなくなったじゃん...」
僕はふっと笑った。
「お互い、おんなじこと考えてるね」
そしたらあかねもふふっと笑って。
「だね。」
「ねぇ、あかね。僕、星の王子さまになれるかな。」
「なれる、なれると思うっ!そしたら私、星になって会いにいく!ほら、なくなった人は星になるっていうでしょ?」
「うん、じゃあ、会いに来て。」
「もちろん!」
僕達は笑った。
僕は幸せだった。この時間が永遠に続けばいいのにって。
でも、不幸は起きるものなのだろう。
幸せがずっと続くわけではない。
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