episode.11

1/1
前へ
/14ページ
次へ

episode.11

あかねと僕は、やっぱりあの日。 それぞれの家に帰ることにした。 そして、あかねは検査のため病院に行くらしい。 僕はあかねを病院の外で待っていた。 ガーッ 「あ、あかね!」 「あ、侑里...」 何かあったのか、あかねの顔はとても暗い。 「何かあったの?」 「...侑里には言わないとね。私の余命が...1ヶ月短くなった。」 「...え?どういうこと...?」 「今日ね、検査に行ったの。私、元々心臓に持病があって。もう治らないって言われたの。それが今日検査したら、前よりもひどくなってて。生きれても、あと1~2ヶ月なんだって。」 「...なんで持病のこと、言わなかったの...?」 「...ごめん...なさい。言ったら、侑里が悲しくなるかと思って...」 「...やめよう。」 「え?」 「今、言い争っても意味がないよ。あとは残された人生を生きるだけ。」 「...そうだよね。」 実際、あかねに生きてほしかった。 僕だけが死ねばいいと思ってた。 でも、あかねの寿命が短くなったなら、もうあとは生きるしかない。 僕達は手を繋いだ。 もう、悲しくならないように。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加