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episode.11
あかねと僕は、やっぱりあの日。
それぞれの家に帰ることにした。
そして、あかねは検査のため病院に行くらしい。
僕はあかねを病院の外で待っていた。
ガーッ
「あ、あかね!」
「あ、侑里...」
何かあったのか、あかねの顔はとても暗い。
「何かあったの?」
「...侑里には言わないとね。私の余命が...1ヶ月短くなった。」
「...え?どういうこと...?」
「今日ね、検査に行ったの。私、元々心臓に持病があって。もう治らないって言われたの。それが今日検査したら、前よりもひどくなってて。生きれても、あと1~2ヶ月なんだって。」
「...なんで持病のこと、言わなかったの...?」
「...ごめん...なさい。言ったら、侑里が悲しくなるかと思って...」
「...やめよう。」
「え?」
「今、言い争っても意味がないよ。あとは残された人生を生きるだけ。」
「...そうだよね。」
実際、あかねに生きてほしかった。
僕だけが死ねばいいと思ってた。
でも、あかねの寿命が短くなったなら、もうあとは生きるしかない。
僕達は手を繋いだ。
もう、悲しくならないように。
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