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episode.4
病院を抜け出し、走る僕ら。
あかねは笑ってた、幸せそうに。
しばらく走り、病院も見えなくなった。
ハァハァ...
「私、初めて自分から病院抜けようって思った。これも全部、侑里のおかげだね。」
侑里。さっきまで呼びにくそうに呼んでいた僕の名前をすんなり呼ぶあかね。
少しだけ、胸が鳴った。
「俺も、あかねとだから抜けようって思ったのかも。」
「お互いのおかげだね。じゃあ、どこ行こうか?」
「俺のおすすめは−」
「うわぁ〜!可愛いっ!私、猫カフェとか初めて来た!」
「そりゃあ、良かった。」
...何か、あかねのキャラ変わってね?って思ったの俺だけ?
さっきみたいに、幸せそうに笑うあかね。
さっきまで気づかなかったけど...、あかねってかなりの美少女なんだな。
「はぁ...!ほんと、至福になったよ〜!ありがとう!侑里!」
「良かった」
「次っ!あそこっ!今度は犬カフェ!」
「うん、行こうか。」
今、元気にはしゃぐあかねは...、3ヶ月したらこの世から存在ごと消えてしまう。そう、思うと何だか胸が苦しくなった。
いつ、こんな思いをあかねに抱くようになったのだろうか。
あかねを死なせたくない。
とは言っても、僕はあと1ヶ月しか生きれない。
僕にはどうすることも出来ないのが現実だ。
死ぬなら、あかねと一緒に死にたい。
この気持ちは、紛れもない恋愛感情。
つまり、僕はあかねのことが好きだということだ。
気づいたからのは行動に。
僕にはあと1ヶ月しか残ってないんだ。
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